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現在の遺伝子治療の問題点と新しい遺伝子治療技術の必要性

今、なぜ新しい遺伝子治療技術が必要なのでしょうか?

現在の遺伝子治療の限界

人の病気の多くには、それぞれ個人が持つ遺伝子の個性や異常が関わっていることが、徐々に明らかになっています。

これまで「遺伝病」として知られていたいろいろな病気が遺伝子の異常で引き起こされることは明らかです。その他にも、がんは遺伝子の異常が積み重なって発生することが証明されていますし、糖尿病や動脈硬化(脳卒中や心筋梗塞の原因)など、これまで「生活習慣病」と呼ばれていた病気にも、「病気の起こりやすさ」を決定している「遺伝子の個性(SNPs:スニップス)」が関係していることが明らかになりつつあります。

このような「遺伝子の病気」への治療技術として注目を集めているのが、「遺伝子治療」です。

1990年にアメリカで世界初の遺伝子治療が実施されて以来、世界中で実に10,000名を超える患者さんがこの治療を受けています。しかし残念ながら、いくつかの治療プロトコールが有効ではないか、と期待されていますが、そのほとんどははっきりした治療効果が出ていないのが現状です。

遺伝子治療の問題点

遺伝子治療の成功のカギを握るのは、「ベクター(遺伝子の運び屋)」です。

ベクターには大きく分けて、ウイルスベクター(無毒化したウイルス)と非ウイルスベクター(人工化合物など)があります。

人工ベクターはウイルスベクターと比較して、より安全ではありますが遺伝子を運ぶ能力(遺伝子導入効率)が大幅に劣り、まだ完全な実用化には大きな技術的な壁があります。一方、ウイルスベクターは導入効率は一般によいことが知られていますが、安全性に問題があります。

例えばこれまでに、アデノウイルス(肺炎、結膜炎の原因ウイルス)ベクターの大量投与を受けた患者さんが死亡(1999年 米国)、レトロウイルス(マウスの白血病原因ウイルス)ベクターによる患者さんでの白血病の発症(2001年 フランス・2007年 イギリス)などの重大な副作用が報告されています。

従って、遺伝子治療を成功させるためには、十分な遺伝子を運ぶ能力、十分な安全性、を確保した、全く新しいベクターを開発することが必要です。

レトロウイルスベクターによる白血病誘発事故を報じる英ネイチャー誌
レトロウイルスベクターによる白血病誘発事故を報じる英ネイチャー誌 (2002)

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